川崎市多摩区の丘陵地帯、小田急線向ヶ丘遊園駅から徒歩13分の所に、供用面積119.3ha(東京ドーム約25個分)の広大な都市公園『生田緑地』があります。都市計画決定されたのは昭和16年、今からもう80年以上も前のことです！緑豊かな自然を残し、里山環境や四季の移ろいを感じることができるとても広い緑地内には、『岡本太郎美術館』、『日本民家園』、『伝統工芸館』、『かわさき宙（そら）と緑の科学館』、『藤子・F・不二雄ミュージアム』といった施設も充実。今回は園内を散策しながら、自然を満喫してきました♪

生田緑地の玄関口『生田緑地東口ビジターセンター』

生田緑地を訪れたのは、まだ寒さが厳しい2月のはじめ。センター内に入ると薪ストーブが温かく迎えてくれました。

情報の宝庫であるこちらのセンターには、園内の詳細な散策ルートや四季の自然の解説や展示もしています。こちらで予習をしてから散策すると、より園内の植物や季節の花などを楽しめそうですね。2階には多目的スペースもあり、ちょっとした休憩にもぴったり。入り口では薪の販売まで行われていましたよ。
生田緑地とその周辺エリアで行われている活動の案内も掲示してあり、ワークショップや各施設でのイベントといった情報もたくさんあるのでお見逃しなく♪

貴重な車両を間近で見学

芝生が広がるひらけた中央広場には、その昔実際に使用していた『客車』や『蒸気機関車』が展示されています。

客車は、国鉄常磐線経由東北線で昭和60年まで使用していたもの。約555万キロ（約地球140周分）走った車両だそう…！大人にとっては少し懐かしく、子どもにとっては新鮮に映るかもしれませんね。9:30～16:30は車内に入ることも可能なので、客席に座って外の景色を見ながらタイムスリップしてみるのもよさそうです。

こちらの蒸気機関車は『D51形蒸気機関車』。設計者の島秀雄氏（宇宙開発事業団・初代理事長）が会心作と評する車体であり、昭和初期に製造され、全国へ貨物を運び日本の経済発展を担った車両です。展示されているこちらの車両も、昭和15年に作られ昭和45年11月まで現役で荷物を運び、新鶴見機関区で廃車となったもの。 中へ入ることはできませんが、構造などを間近で見ることはできますよ。

中央広場を歩いていると、隅の方に何やら木が積み上げられた場所が…
近づいてよく見ると、こちらは薪で、“スイス積み”という積み方をしているそう。

基礎となる柱やブロックの上に円形に薪を積み重ねていく“スイス積み”は、ヨーロッパの山岳地帯に伝わる薪の乾燥と保管を兼ねた積み方だそうです。絶妙なバランスと安定感ですね…！

四季折々の植物と自然を満喫

中央広場の先にはメタセコイアの林があります。メタセコイアは、大昔の地球にもあったヒノキ科の植物の唯一の現生種で、“生きている化石”とも呼ばれています。写真に収まらないほど、すっと幹を空へと伸ばしていました。葉を青々と茂らせる新緑の季節や秋の紅葉の時期は、また見物です♪

生田緑地HPより

メタセコイアの林の中にあるのは『奥の池』。谷戸の湧き水がたまっているこちらの池には、清流で生息する絶滅危惧種でもあるホトケドジョウなどがいるそうです。訪れた日は、水質改善のため水を抜いて日干しをする“かいぼり”が行われていました。 こういった活動を定期的に行い、きれいな湧水や在来生物を守っているのですね。

訪れた2月の初旬は、春を感じるにはまだまだ早い時期でしたが、梅園を訪れるとすでに鮮やかな花を咲かせている木もありました。

園内には、目的や運動量に合わせて様々な散策コースが設定されており、何回行っても違った景色を楽しむことができそうです。春と秋に開苑するばら苑、つつじ山、ホタルの里など、季節ごとの様々な花や自然を楽しみながら散策するのもいいですね。丘陵地帯のアップダウンが随所にあり、中には約210段の階段もあるので、しっかり歩ける服装でお出かけくださいね◎

歴史を感じる『枡形山展望台』

標高84mの枡形山は、鎌倉時代の稲毛三郎重成をはじめ戦国時代にかけて山城として度々利用されていた天然の要害の地。展望台からは360度の絶景が楽しめます。こちらの広場には遊具もあり、子どもたちが楽しそうに遊んでいましたよ。
春には桜が咲き誇り、お花見を楽しむ人で賑わうそうです！

生田緑地HPより

今回は、緑地内の自然を満喫しながら散策を楽しんだ一日でした。多様な施設もあり、お食事処やカフェも併設されているので、何度訪れても様々な楽しみ方ができそうです。“未来を育てるミュージアム”生田緑地へ、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。