『蕎彩和み月』は2024年7月8日から同じ中幸町内で店舗を移転して、『酒処和み月』としてオープンしております。下の記事は、『蕎彩和み月』として営業されていた時の記事になります。今のお店を訪問する際のご参考にしてください（ちなみに、7月8日現在、手打ちそばの提供は終了しているそうです）住所・電話番号・営業時間・定休日等は現在の『酒処和み月』に修正済みです。

『ラゾーナ川崎』の裏手にある“ニコニコ通り”という一方通行の細い商店街。その通り沿いに隠れ家的なお蕎麦屋さん『蕎彩 和み月（きょうさい なごみつき）』があります。今から12年前にたった9席で始めたお蕎麦屋さんですが、その本格的なお蕎麦と豊富なメニューに人気となり、現在は20席ほどの席数があるアットホームな雰囲気のお店です。

開店当初は右側部分のみ。その後、隣のスペースにもお店を広げ、現在の形に。

とにかく料理が好き！

店主の遠藤さんは、元々料理が好きで、こちらのお店を始める前も様々な飲食店を経験なさってきたそうです。お蕎麦屋さんの開業を志したきっかけは、2011年の東日本大震災。当時、閉店し続ける大型店舗を見て一念発起したと言います。しかし、そば打ちの経験はなかったので、そば打ちの養成学校『一茶庵手打ち蕎麦教室』（50年以上の歴史がある教室）へ通い、そば打ちを習得。準備期間を経て、『和み月』を開業されました。

お蕎麦への情熱

和み月のお蕎麦に使うのは、国産の特上 牡丹そば粉。牡丹そばは、昔は主流の品種でしたが、丈が長く雨風で倒れやすいため品種が多様化する中でほとんど作付けされなくなり、その希少性から現在では“幻のそば”と言われています。甘味と風味がよい品種で、特別にお願いして仕入れているそうです。
こだわりのそば粉は、二八そばで提供。小麦粉が生成するグルテンをうまくコントロールすることが美味しさと食感を生む秘訣だそうで、こね・のし・切りのすべてを手作業で行う“完全手打ち”で蕎麦づくりを行っていらっしゃいます。

そば粉以外にも、つゆには鹿児島県枕崎の本枯節薄切り、天ぷらには綿実油といったこだわりの食材を使用しています。

自慢のお蕎麦に、酒の肴やおそうざいも

ランチの時間は手打ちのお蕎麦やうどん、定食がいただけますが、夜の時間はお蕎麦の他にお酒にぴったりのメニューやおそうざいも豊富。江戸時代、居酒屋の始まりはお蕎麦屋さんでお蕎麦を待つ間にいただく“そば前”だという説もあると、遠藤さんが教えてくださいました。目の前の人に料理を楽しんでほしいという想いがお蕎麦屋さんを超えた料理を作っていると感じます。

「天ぷら盛り合せそば」
お蕎麦は、香り豊かな二八そば。細身ですが、もっちりとした食感です。かつおの出汁がきいた自家製のつゆとも相性抜群。衣がサクサクの天ぷらは、具材への火の通り方が絶妙。身がぷりっぷりに仕上がった大きな海老、野菜は一口食べるとサクサク衣の中から旨味がじゅわっと口の中に広がります。

「焼酎 そば湯割り」
こだわりのお蕎麦を茹でた、そば湯も絶品！ということで、そば湯割りの焼酎もいただきました。とろとろのそば湯で、そば焼酎も格別の美味しさ◎

こちらは、粒味噌に揚げ蕎麦米と胡桃と本枯節と葱と大葉を加え、しゃもじに塗り当て焼いた蕎麦屋定番のつまみ。他にも「焼きたて出汁巻き卵」や「板わさ」、「冷奴」など、お酒と共に楽しみたい“そば前”メニューも豊富です！

定番のメニューに加えて、旬の食材を使った「本日のおすすめ」もあります。今回取材に伺ったのは、これから寒さが増す11月下旬。この時期おすすめの2品をいただきました。

「おでん」
寒い時期に恋しくなるものと言えば…そう、あつあつのおでん！蕎麦つゆと同様、かつおのきいた出汁を使用。出汁のしみ込んだ具材が、柔らかでやさしい味わい。体の芯から温まり、ほっとする美味しさです。

「いちじくの天ぷら」
こちらは珍しい、いちじくの果実を使った天ぷら。熱を通すことでいちじくの甘さが増し、塩味と相まっていちじくの美味しさが際立ちます。サクサクの衣といちじくの実の食感がいいバランス。

心が和む、アットホームな空間

店内の雰囲気は、思わずくつろいでしまうアットホームな雰囲気。夜の時間に来られるお客様は、実際に長居をされる方が多いそうですよ。美味しいお料理にお酒もついつい進んでしまいます。そして、〆に自慢のお蕎麦を。その美味しさと居心地の良さに、何度も足を運ぶ常連さんも多いとか。

店主の遠藤さんが作る、完全手打ちのもっちりとした食感のお蕎麦。ぜひ一度、ご賞味くださいね。

※２０２４年７月に川崎駅西口大通りに店舗移転を予定しているそうです。近くなりましたら、インスタ等で情報を確認の上ご訪問ください。