お出かけスポットが豊富な県西エリア。中でも、小田原・箱根周辺は人気の観光スポットがたくさんありますね。老舗のかまぼこ屋さん『鈴廣』が運営する複合施設『鈴廣かまぼこの里』は、箱根の玄関口にあるためアクセスがしやすく、地元の方や観光で訪れる方でいつも賑わっています。今回は、『かまぼこの里』内のそばと地酒が楽しめるお店『そばと板わさ 美蔵』をご紹介します。

趣ある建物のその先に…

『美蔵』は、かまぼこの里で一番大きいエリアである『鈴なり広場』から道路を挟んで向かい側の趣ある建物にあります。『美蔵』の他に、1日2組限定（予約制）の会席料理『大清水』、“かまぼこのある暮らし”を演出するアートや器、工芸品などを扱う『ギャラリー＆ショップ 千恵』、名水甘味『且座』が入っており、賑わう『鈴なり広場』とはまた違った雰囲気のエリアです。
建物を入って左奥に見えてくるお店の入り口は、まさに“蔵の入り口”！とても重厚感のある扉が出迎えてくれます。お店の建物は、秋田県旧平鹿郡大森町から移築した“国の登録文化財の総漆塗りの土蔵”。実際に江戸末期から明治期の山林王であった菊池家の蔵として使われていたものなんだとか。店内に足を踏み入れると、まずはその建物の素晴らしさに圧倒されます。

昔ながらのおそばの楽しみ方を提供

江戸の時代、お酒を呑みに行くとすれば、それは専らおそば屋さん。“職人がそばを打っている間、ちょいと肴をつまみながら盃を交わす”というのが粋な嗜みでした。美蔵には、そんな昔ながらの粋な嗜みを体感できる「そば前五種セット」というメニューがあります。鈴廣自慢の「板わさ」や小田原産の鶏卵を使った「江戸前玉子焼き」など、ちょいとつまむにピッタリな滋味深いセット。神奈川の地酒や焼酎、箱根百水で仕込まれた箱根ビールもありますので、どれをお供に楽しもうか悩ましいところ。。もちろん、お酒を楽しまれる方もそうでない方にも美味しい、おそばを待つのがより楽しくなる一品ですよ。

箱根百年水で打つ絶品のそばとかまぼこかき揚げ

美蔵のおそばは、北海道深川産そばを石臼で丁寧に挽き、箱根百年水で作られます。職人が丁寧に手打ちした細めのそばは、しっかりとしたコシと香り高くやさしい味わいが特徴。おすすめのメニューをご紹介します。

1日15食限定！「今月のおそば」
取材にお伺いした10月の季節のおそばは、「芋切りと季節の天ぷら」。いちょう芋とむかごを練り込んだおそばと秋を感じる天ぷらのセットです。（季節により内容は変更します）
いちょう芋とむかごが練り込まれたおそばは、噛むとほんのりとした甘さが。お好みで黒七味をかけてどうぞ。（かけすぎ要注意！）そしてこの日の天ぷらは、銀杏・かぼちゃ・さつまいも・甘長唐辛子・稲穂。秋を感じますね。天つゆではなく、塩でいただきます。塩でいただくと、素材の旨味や自然の甘さをより感じることができました。稲穂は白いお米の部分を手で取り、いただきました。甘くてまるでお菓子の様でした♪
※いちょう芋：根の先端がイチョウの葉に似ていることからそのように呼ばれているそうで、関東地域では“大和芋（やまといも）”とも呼ばれます
※むかご：ヤマノイモのツルの付け根にある球根のこと

美味しいものがぎゅっと詰まった「美蔵そば御膳」
おそばもかまぼこもお腹いっぱい楽しみたい方におすすめ！そばと小どんぶり、かまぼこかき揚げ、かまぼこの食べ比べができる贅沢なセットです！そばは“かけ（温）”か“ざる（冷）”、小どんぶりは“海鮮山かけ丼”か“しらす丼”の2種からお選びいただけます。今回は、かけ（温）としらす丼をチョイス。温かいかけそばは出汁の香りがとてもよく、そばとの相性も◎ 鈴廣自慢のかまぼこ「古今」と「謹上」が贅沢カットでいただけるのも嬉しいところ。

見た目からもサクサク感が伝わる「かまぼこかき揚げ」。えびや玉ねぎといったかき揚げの定番食材の中に、ゴロゴロとかまぼこがたっぷり！歯ごたえよく、その存在感はまさに主役。かまぼこ屋さんならではのかき揚げ、美味しいですよ。

スタッフイチオシ！「江戸前玉子焼き」
今回お伺いした際、ぜひ食べてみてください！とおすすめいただいた玉子焼き。先にご紹介した「そば前五種セット」のひとつですが、単品でもご注文できます。小田原の自然で育った鶏卵に出汁としてそばつゆを合わせた玉子焼きは、一口食べるとジュワッと出汁が溢れ出し、卵の風味と出汁の旨味が口の中に広がります。大根おろしや醤油もありますが、まずはそのままの美味しさをぜひ味わっていただきたい…！

お伺いした日も、多くの方がこちらでそば前セットやおそばを楽しまれていました。お昼時は少し混みあうため、予約するのもおすすめです。（詳しくはHPをご覧ください）ぜひかまぼこの里に遊びに来られた際は、『美蔵』で粋な“そば前”を楽しみつつ、香り高い美味しいおそばをお召し上がりくださいね。