• KanagawaSPOT
  • 食べてみる
  • 行ってみる

観光・カルチャー

行ってみる

〈 県央 〉

様々なガラス制作体験ができる工房、新たな製品づくりにも挑戦!『厚木グラススタジオ』

厚木市内のメイン道路129号線を少し外れたところにある工房『厚木グラススタジオ』。工房では職人さんたちが実際にガラス製品を作っていらっしゃいますが、一般の方でもガラス製品を作ることができます。ガラス体験と聞いたら思い浮かべる「吹きガラス」や「サンドブラスト」など様々な体験があります。

県内で有数の大きな体験工房

開業してから17年目を迎えるこちらのスタジオは、陶器の食器メーカーのガラス部門にお勤めだった方々が作ったガラス工房。高齢化のためにスタジオを閉めようかと考えていたそうですが、従業員の義理の息子さん(現在の社長)が“閉めてしまうのはもったいない自分が引き継げないか”と跡を継がれたそうです。
こちらのスタジオでは、一度に最大7名まで吹きガラス体験を行うことができます。県内でもここまで大きな工房は珍しいようです。大きな工房だからこそ、団体での利用も多く、取材にお伺いした時は近所の学童クラブに通うお子様たちが「吹きガラス体験」を行っていました。

思いをこめてゆっくり息を吹き込む 「吹きガラス体験」

吹きガラスは熱~い窯の中で溶けたガラスを竿に巻き付け、空気を吹き込みながら仕上げていきます。コップやお皿などもこの体験で作ることができます。ガラスを溶かす窯の温度はなんと1300℃もあるそう!少し近づいただけでも熱い…。小さ目の窯もありますが、その窯の温度も1000℃近くになるそうです!!

熱いうちのガラスはオレンジ色で、練り飴のように“ぐにゃ”とよく曲がります。コロコロ転がしてみたり、型にはめて模様を付けたりして形を整えていくそうです。細長い竿からゆっくり息を吹き込んでいくと…ガラスの中に空気が入り膨らんでいきます。一気に空気を入れてしまうと形が崩れたり、歪んでしまうので、ゆっくり丁寧に作業を進めます。約20~30分ほどで作品は完成!

出来上がってもまだまだガラスは熱い!時間をかけて粗熱を冷まします。冷めるまでに約2日かかるので、後日受取か郵送(有料)でお手元に♪自分で作ったコップやお皿でいただく飲み物や料理は、きっと格別でしょうね!

他にもガラス体験はたくさん♪

色とりどりのコロンと丸いシルエットが可愛い「とんぼ玉」を作る体験。自分で作ったとんぼ玉は、アクセサリーやストラップにして身に着けることができるのも嬉しいですね。

「サンドブラスト体験」は、コップやお皿に好きな形のシールを貼って砂を吹きかけて模様を掘ります。火も使用しない体験なので、小さなお子様もできる人気の体験です。 その他にも、ガラスを切り貼りして電気釜で焼き付ける「フュージング体験」や「ステンドグラス体験」もありますよ。

ガラスの魅力にどっぷりつかりたい♡ ハマる人も多い「教室」

ガラス制作に魅了された方には、本格的に学べる教室がおすすめ。「吹きガラス教室」は、月1回または3回のコースが設定されています。厚木市内や近隣から通われているのかと思いきや、なんと千葉県や山梨県、静岡県など県外の生徒さんが多数を占めているそう。現在は30名ほどが通われていて、毎回厚木まで小旅行気分で習いに来ているそうです。
教室で作った作品は、スタジオ内でも販売されています。自分が作った作品を販売できるのも嬉しいですが、誰かの目に留まり買っていただけたら嬉しさ倍増ですね!販売に繋がることで、さらに作品作りに身が入りそうです。教室にご興味のある方は、ぜひスタジオまでお問合せ下さい。

地域の魅力を伝える新たな取り組み!

厚木グラススタジオの新たな挑戦。それは、その昔、伊勢原市日向地区を中心に採掘されていた“日向石”という石に新たないのちを吹き込み、石とガラスを混ぜた作品を作り出すこと。
軟質で加工のしやすい日向石は伊勢原のひとつの産業として活用されてきましたが、外国製の石やブロック、コンクリートが主流となってきたため約50年前に石切場は閉鎖。日向石は忘れ去られてしまいました。“今ある地域の資源を活用できないか”と伊勢原市の建築士・荻野氏と石工・成瀬氏がプロジェクト『Sunny-on』を立ち上げ、日向石を使って箸置きやコースター、タイルなどを制作しています。

“ガラスと石を混ぜたらどうなるのか試してみたい。地元の物を使って面白いものを作ってみたい!”と、厚木グラススタジオにお声がかかり、日向石を混ぜたガラス制作の挑戦が始まりました。

石と言っても塊を入れるわけではなく、石を削って加工をする際に出る石の粉をガラスに混ぜて作ります。ガラスの素材も石ですが、それぞれ違った特性を持っているので“どんな色になる?割れてしまう?”と、まさに実験のよう。初めはガラスに石の粉が全く溶けず…何時間も溶かす作業を続けたそうです。何度も試行錯誤を重ね、ついに石の粉を混ぜたガラスができました。

日向石は青みかかった色味から、七沢石・煤ケ谷石と合わせて“相模青石”と呼ばれています。石の特徴がよく出た、エメラルドグリーンに近いきれいな色。“色って本当にたくさんあって、その中でも自然にあるものから色が出せたことがすごいこと!自分たちで色を作ることができたのが、面白い”と厚木グラススタジオの社長はお話してくださいました。

今はまだ試作品の段階ですが、きっと素敵な作品になるのでしょう!本格的に製品化されるのは来年の春頃を予定しているそうです。それまで、まだまだ挑戦は続きます。完成するのが今から待ち遠しいですね♪

〒243-0812
神奈川県厚木市妻田北2丁目13−8
小田急小田原線「本厚木駅」よりバス「そりだハイツ前」下車、徒歩2分
046-297-5700
工房/9:00〜18:00
工房/火曜定休(祝日の場合は月曜日)
あり(店舗前に3台)
【体験】
吹きガラス体験/3,850円(税込)〜(1作品、所要時間:約20分、後日お受け取りか宅配)
とんぼ玉体験/1,650円(税込)(所要時間:約20分、徐冷3時間、お持ち帰りはその後)
サンドブラスト体験/1,650円(税込)~(グラスなど、所要時間:約15分)
ステンドグラス体験・フュージング体験もあります

【教室】
吹きガラス教室/月1回、月3回、お試し3回コース
エアバーナー(とんぼ玉)教室
※入会金、月会費など詳しくはお問合せください
http://atsugi-glass.net/
https://twitter.com/atsugiglass
https://www.instagram.com/atsugiglass/

Google マップの「拡大地図を表示」をクリックでルート検索ができます。