ジモット人 INTERVIEW

ジモトを愛する方々にインタビューしました!

vol.18|昭和建設株式会社 代表取締役 工藤圭亮さん

元気な商店街は安心・安全な街づくりの礎。
独自のアイデアで地域に笑顔の種をまく
昭和建設株式会社 代表取締役 工藤圭亮さん

1966年(昭和41年)に横浜市保土ケ谷区で創業した昭和建設株式会社。その代表を務める工藤圭亮さんは、会社のある地元・和田町商店街を盛り上げるイベントを企画したり、いまや横浜市18区を巻き込んで開催されている「全はまスリッパ卓球選手権大会」の実行委員長を務めるなど、地域の笑顔のために奔走しています。そうした活動の原動力になっているものや地域への思いを聞きました。

 

まもなく区制100周年を迎える歴史ある街・保土ケ谷


― 保土ケ谷区そして和田町の魅力を教えてください。

和田町は両親が共働きで今の会社をやっていた場所です。そのため、小さい頃から和田町商店街によく連れて来られた思い出があります。この辺りは勝手知ったる街というか、子どもの頃から一緒に育ってきた街ですね。昔ながらのお祭りが残っていたり、場所柄なのかおいしい料理屋さんが多いのも魅力だと思います。それに保土ケ谷区は、2027年(令和9年)には区制100周年の節目となる古い街で、ジャガイモ発祥の地と言われているんですよ。


― 北海道ではなく保土ケ谷なんですか!?

知らなかったでしょ(笑) 江戸時代に保土ケ谷に伝わったと言われています。保土ケ谷城中では、ジャガイモ焼酎をつくっていた人もいたとか。保土ケ谷もですが横浜の風土というか、日本初とか発祥の地とされているものが多いですよね。新しいものを受け入れて、自分たち流に変えていく文化は、この地域の魅力だと思います。

 

安心・安全な街づくりのために商店街は重要な存在


― 工藤さんは地域で積極的に活動をされているとうかがいました。
  何をきっかけに地域社会に関心を持つようになったのですか?

子どもの頃からこんな感じなんですけれど(笑) お祭りごとが好きで、小学生の頃はレクリエーション委員会の委員長をしたり、積極的にかかわるタイプの人間でした。28歳のときに昭和建設株式会社に戻ってきて、仕事の傍らで業界の青年部で仲間を募っていろんなことをするうちに恩返しをしたいと思うようになったんです。建設業は木を切ったり、土を掘ったり、自然とのかかわりが大きく、それは破壊しているとも捉えられる。だから恩返しをしたいなと思ったんです。


 

― 特に商店街を大切に考えているのはなぜですか?

自分が育ってきた街ですから、商店街が疲弊していくのを見るのが嫌でね。ちょい飲みフェスティバルとか「わだまち呑兵衛 七福神」というハシゴ酒が楽しめるようなイベントを企画したこともありました。昔は生活の一部に商店街があって、お互いが顔見知りで、声を掛け合いながら過ごしていましたが、今はスーパーやコンビニエンスストアに代わって、誰が誰だかわからない。まずは地域と店主がつながるところから始めようと考えたんです。

自実際、建設業界は安心・安全な街づくりをすることが大きなテーマで、「子ども110番」とかパトロール活動をしていて、巡回中に倒れている子どもを見つけたことがあって。近くにいた商店街の人が「◯◯さん家の◯◯ちゃんだ」と気づいて、すぐに対処することができました。お互いに知り合いであれば何かあったときに積極的に助け合えるものなんですよね。逆に、知らない人が入ってくると「あれ? どこの人だろう」と警戒するから、それが抑止力になる。そういうコミュニケーションがある街づくりこそ、安心・安全な街づくりの近道。だから地域の商店街には元気でいてほしいんですよね。

 

養蜂、スリッパ卓球、婚活……広がり続けるアイデア


― ほかにもいろいろな活動をされているそうですね。

そうですね。例えば「わだまちミツバチ大作戦」のはちみつづくりがあります。建設業界の人間として、カーボン・オフセットと言われるようになって、ミツバチをきっかけに緑や花が豊かな街になったらいいなと思って始めました。和田町のハニーということでWANEY(ワニー)という名前で、お世話になっている方へのお中元にしています。「おいしいからもっとほしい」と喜ばれているんですよ。

そして、2015年に始めた「スリッパ卓球選手権」。各地の商店街を舞台にして、今では横浜市の18の区で開催しています。修学旅行の旅館で、履いているスリッパを使って卓球をした人って結構いると思うんです。その楽しかった思い出が、この企画の出発点です(笑) 商店街からは離れますが、建設業界の男性と保母さんなど出会いが限られている人向けの婚活イベントも企画しました。初年度は7組のカップルができて、2組は結婚まで行ったんですよ!


― それはすごいですね! 建設業と婚活、まったく接点が見たりません。
  工藤さんが、こうした活動を企画、
  運営されるときに心がけていることを教えてください。

婚活イベントを考えたのは、その頃、業界が女性活躍推進ばっかりで。既存の男性社員がかわいそうだったし、現実的には男性のほうが圧倒的に多いんですよね。女性活躍推進と声高に言うほうが差別じゃないかと思うし、立ち止まって世の中の大きな流れの反対の側面から見ることは大切だと思っています。人と同じが好きじゃないんですよね、やっぱりオリジナルがいい! そして、大前提として見返りを求めない。それをやって自分自身が楽しいかどうか。楽しくないと真剣に頑張れないから。それが巡り巡って本業に還元できたらいいなと思っています。

 

まだ誰にも話してない企画もJIMOTTOとともに


― 今後、JIMOTTOが一緒にできることはありますか?

ご興味があればWANEYの採蜜はいつでもできますよ。ジモティビティで参加者さんを募っていただくのは良いですよね。来年やろうか? まだ誰にも話していない温め中の企画もたくさんあるから、それをJIMOTTOと一緒にできたら楽しいかもしれませんね。