2003年に開校した横須賀市立大塚台小学校。そのPTA会長を務めるのが陳寛明（かんみん）さん、42歳。ほかにヨコスカダウンタウンクラブ（YDC）の理事、神奈川県中華料理業生活衛生同業組合の理事を務め、横須賀商工会議所青年部（Yokosuka YEG）に所属するなど、さまざまな接点で地域とのつながりもつ陳さんに、地域や地域活動への率直な思いをうかがいました。
家庭、仕事、地域……、さまざまな役割を担う原動力とは
― まずは自己紹介からお願いします。
安浦と横須賀中央にある中華料理店「上海亭」の代表をしています。そして、子どもたちがお世話になっている横須賀市立大塚台小学校のPTA会長をしています。ほかには、ヨコスカダウンタウンクラブの理事をしていて、一昨年までは代表理事を務めていました。横須賀商工会議所青年部に所属、「サンマー麺」の認知、普及などの活動をしている神奈川県中華料理業生活衛生同業組合の理事もしています。 30代半ばから数年前までは横須賀青年会議所（JC）にも参加していましたが、40歳で卒業というルールがあり、40歳になったときに離れました。
― 今日は大塚台小学校で開催されている「風ドリフェスティバル」に参加させていただきました。
どのようなイベントか教えてください。
6年生が企画した「大人と子どもが仲良くなり笑顔あふれる明るい町」を目指したイベントです。今年は、開校20周年ということもあり、子どもたちの気持ちを尊重して、先生方やPTAのサポートのもと開催されました。 新型コロナウイルスへの対策や短い準備期間で実現するために、知り合いのキッチンカーを手配しました。難しい手続きは不要だし、参加者さんに「温かいものを食べてほしい」と思って！ 制服を着て職業体験もさせてくださったファミリーマートさんも僕の知り合いです（笑）
それに神奈川トヨタさんには試乗体験をしていただきました。効率よく進めるために、周囲の協力者を巻き込んでいくことも大切ですよね（笑）。
― すごく多くのお役割を担われているんですね。
それらに参加する理由を教えてください。
僕には姉が2人いるんですが、小さい頃から誰に言われたわけでもないのに「自分が会社を継ぐ」という使命感があったんです。それに僕の父は、僕が中学2年のときに病気になって、高校1年の時に亡なったんです。会社や店のことを真剣に考えるようになると、会社や店がある地域のことを自然と考えるようになるんですよね。それが地域の活動に参加するきっかけになったと思います。
僕自身の軸はもちろん「上海亭」です。だから、万が一、店が傾くようなことがあれば、これからの活動はすぐにやめます（笑） その大学生の頃、先輩に言われて選挙の手伝いでボランティアとして小泉純一郎さんの事務所に行ったことがあったんです。その時も、地域のためにとかは一切に考えてなかったんですけれどね（笑）
地域活動は参加する人全員がWin-Winの関係であるべき
― 地域活動に参加される際に心がけていることはありますか？
まずは、こちらの考えを押し付けないこと。そして日々のコミュニケーションを大切にすることです。会社や組合などの組織以上に、いろいろな考えや立場の方がいらっしゃるので、「求めていること」「課題と感じていること」はさまざま。だから、そういう声に耳を傾けるようにしています。 そうしているうちに、「カラスが巣を作って困ってる！」なんて相談ごとまで入ってくる（笑） 街のタウンページというか相談窓口のように覚えてもらったり、今っぽく言うとマッチングの話が来たり。ありとあらゆる情報が集まってくるんです。
― 陳さんを媒体に、人と人とが繋がっていくわけですね。
そうなんです、自然と集まって繋がっていく。自分がパイプ役になることで、それぞれがWin-Winの関係になるのは良いことですよね！
― どんなときに手応えややりがいを感じますか？
僕自身のことで言うと、家族、会社、街とそれぞれの役割を全うするために、時間をうまく使えるようになりました。忙しいからこそ、時間を無駄なく効率よく使える。そして、いろいろな人と交流することで視野が広がりました。 先ほどの話と重複しますが、Win-Winの関係で繋がっていくと信頼関係が生まれ、さらに情報が集まってきて、さらにWin-Winの関係が広がっていくときに手応えを感じますね。
地元好きが多い横須賀、今後の展望
― 陳さんが思う横須賀の良さを教えてください。
「横須賀の人が、横須賀を大好き」ということですね。地元愛の強さは街の魅力の一つだと思います。そして、気候が良い。横浜周辺で雪が積もっても、横須賀では降らないことも多いんですよ。海があって山があって、自然が豊かなところも良いですね。
― 今後、横須賀をどんな街にしていきたいですか？
人口減少という流れのなかでも、横須賀は観光客、交流人口は増えているエリア。そうした方々にアプローチして、街の賑わいづくりをしていきたいです。先日、家族で川越に行ったんです。川越も横須賀と同じように観光客の多いエリアで、現地でみんなが楽しんでいた食べ歩きが一つのヒントになる気がしています。今後、横須賀流の楽しみ方を提案できたら良いなと思っています。
陳さんが代表を務める中華料理屋の『上海亭』にもお伺いさせてもらいました！ 「タレのいらない餃子」や「両面焼きの五目焼きそば」など 横須賀の人々に長年愛されてきた絶品メニューをご紹介しています。 こちらも是非ご覧ください♪
