※ 文中の構造物等名称は全て仮称です
圏央道に接続する海老名南JCT~愛知県の豊田東JCTまでを結ぶ新東名高速道路。そのほとんどが開通していますが、神奈川県の新秦野IC~静岡県の新御殿場ICは現在も2027年度の開通を目指して工事が進められています。
今回は、工事の様子を見学できる『新東名高速道路 松田事業PR館』に伺いました!(こちらの施設の見学コースは、事前予約制となっています。お申込みはこちらから→https://airrsv.net/shintomei-hadano/calendar)
14.2kmの区間に6つの橋と6本のトンネルを建設中
新東名高速道路の新秦野IC~静岡県境までの14.2kmの区間を担当しているのは、秦野工事事務所。新東名高速道路といえば、カーブや高低差の少ない走りやすい道路にするために、約8割がトンネルや橋梁になっています。現在工事中のこちらの区間でも、高松トンネルや中津川橋をはじめ、6つの橋と6本のトンネルを造っています。
松田事業PR館より
246号線寄入口の交差点を曲がって、山道をしばらく走ると見えてくる『松田事業PR館』。松田PR館では、中津川橋と高松トンネルの工事の様子をツアーガイドの方がわかりやすく紹介してくださいます。(『山北事業PR館』もあるのですが、そちらでは主に山北町内の4か所の工事について知ることができます)
入口のこちらのアーチ、実はトンネルを掘削していく際に使われる“支保工”という仮設構造物。高松トンネルはNATM(New Austrian Tunneling Method)という工法で掘削されており、含水爆薬で発破→機械で掘削→コンクリートの吹付をした後に、型枠を支えるために使用されるものだそうですよ。こちらは連絡抗用の小さなサイズですが、こんなに近くで見られることもないのでなんだかワクワクしますね♪
パネル等の展示もあるので、いかに造っていくのか、工事の様子をご覧ください!
神奈川県内の“難関工事”!
現在トンネル工事が進められている、ここ寄地区の地層は複雑なのだそう。それは、今から60万年から20万年前、伊豆半島が本州にぶつかった時の衝撃により地層が捻じ曲げられてできた多数の断層があり、さらに箱根山噴火による破壊された岩が堆積しているため。そのような地域にトンネルを掘ったり巨大な橋梁を建設するので、とても難しい工事となっているそうです。
脆弱な地山や断層破砕帯等もあるため、毎分2tにも及ぶ湧水が発生することも!専門家のアドバイスをもとに、450mにも及ぶ横ボーリングで調査・設計をしながら、24時間体制で掘削を慎重に進めているそうです。
PR館では、脆弱な地山を構成する“緑色凝灰岩”を見せていただきました。なんと、水を含むと手でもボロボロに壊れてしまいます!こんなに脆い岩が地山を構成しているとなると、工事もより慎重に進めざるを得ませんね。
一方、中津川橋は、断層や断層破砕帯のある複雑な地盤の上に建てるため、橋脚の位置や橋の長さも上り線と下り線で異なります。安全性を保つため様々な工夫がされているのですね。また、断層破砕帯等を避けて橋脚の位置を決める必要があり、左右アンバランスな橋梁となる事から、径間の長い河川側の本体を軽くするために”バタフライウェブ方式”(コンクリート箱桁橋のウェブに蝶形の薄型パネルを用いた構造)を採用し、径間の短いトンネル側では橋台をトンネルの中に約20m入れることでバランスを保っているとの事でした。
工事の詳しい説明はこちらの動画をご覧ください!
【公式】E1A 新東名高速道路開通に向けて 神奈川県内最難関工事のいま~2024冬~
VRでよりリアルな体感!
見学コースでは、ツアー型VRによるバーチャル空間で、中津川橋の工事を体験できました!下を見ると、自分が宙に浮かんでいてびっくり!自由な視点で構造物ができる様子を体験できます。とても貴重な体験でしたよ♪
(VR体験は7歳以上。7歳~13歳のお子様がご利用の際は保護者の同意が必要)
最後には秦野工事事務所広報誌「新東名NEWS」やNEXCO中日本のマスコットキャラクター「みちまる君」のキーホルダーのお土産もいただきました。
※お土産の有無・内容は時期により異なりますとの事
2027年度の開通を目指し、今も工事が進められる神奈川県内の難関工事区間。工事中にしか見られない光景なので、訪れる度に、少しずつ進む工事の様子が垣間見られるかもしれませんね。ぜひ一度足を運んで、自分の目で見て体感してください!
〒258-0001 神奈川県足柄上郡松田町寄1099-1 |
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小田急小田原線「新松田駅」よりバス「萱沼入口」下車、徒歩1分 | |
0463-80-5600 | |
火/10時・11時 水/13時半・14時半・15時半 木/10時・11時・13時半・14時半・15時半 土/10時・11時・13時半・14時半 (週によって見学コース開催日時は異なりますので、詳しくは予約サイトをご確認ください) |
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あり | |
入館料無料 | |
予約サイト:https://airrsv.net/shintomei-hadano/calendar |
Google マップの「拡大地図を表示」をクリックでルート検索ができます。