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“ここにしかない珈琲”を目指して!地元に根差し、進化を続ける珈琲屋さん『厚木珈琲 The Roastery』

2023年4月に厚木市内にあるガラス製品をつくる工房『厚木グラススタジオ』の一角にオープンし、1年せずに新店舗を立ち上げ、本格的な焙煎をはじめられた『厚木珈琲』。
オーナーの酒井さんは、高校卒業後に缶コーヒーで有名なメーカーのロースタリーで焙煎士として働いていました。当初はコーヒーにあまり興味がなかったそうですが、コーヒーインストラクターの勉強をしていく中で、徐々にコーヒーの魅力に引き込まれたそうです。その後、クラウドファンディング運営会社に4年程務め、念願であった自身の焙煎所をオープン!2022年9月、正式に『厚木珈琲』を立ち上げました。

一度見たら忘れられない⁉ インパクトのある、『厚木珈琲』のロゴ

筆書きされた力強い『厚木珈琲』のロゴ。珈琲屋さんとしては珍しい感じもします。しかし、目を引くかっこよさ。なんと、こちらのロゴは、伊勢原を代表する大山阿夫利神社に書いていただいているそうです…!
なぜ、大山阿夫利神社に書いていただくことに至ったのか、お話を酒井さんにお伺いしました。

酒井さんが焙煎所を始めるにあたり、キーワードとしたのは“地域性”。世界と戦っていくために日本のカルチャーを取り入れたかったと言います。珈琲屋さんというと、なんとなく英名でスマートな店名やロゴをイメージしますが、酒井さんは“毛筆で書いた方が味も出て、かっこいいのではないか…”とザ・日本な店名とロゴを目指しました。元々、大山阿夫利神社の御朱印をお持ちだった酒井さんは、御朱印に書かれた“大”の文字が飾り文字の様でインパクトがあり、これをロゴに再現したいと思ったそうです。ですが、書いていただくまでの道のりは簡単なものではなく…何度も何度も神社に足を運び、約半年かけて承諾をしていただきました。
念願叶って店名を書いていただく日は、台風が近づく荒れた空模様。少々の不安を抱えながら神社へと向かいました。様々なパターンのデザインを試し、何枚も書き、3時間ほどかかってついに完成!わざと書き順を崩した“厚”の文字、力強さを感じますね。店名ロゴが仕上がり、神社を後にする頃には降っていた雨も止んでいて、「幸先良いスタートが切れそう」と感じたそうです。
今ではこのロゴも人気を集め、Tシャツや手染めの巾着といったオリジナルグッズも展開されています。

味や香りが変わる、コーヒーの精製方法

現在取り扱っているコーヒー豆の品種は全てグァテマラ産。期間限定の豆も入れて、取材時は7種類もメニューがありました!味わいの変化=産地の違いと思いがちですが、コーヒーの実を摘んでから乾燥させる精製方法や焙煎方法・温度でも様々な味と香りの変化を楽しめるそう。
味わいに違いももたらすコーヒーの精製方法は、主に4タイプに分かれます。

ナチュラルプロセス:代表的な精製方法のひとつ。収穫した赤い実のまま天日乾燥させ、乾燥した実から生豆を取り出す。
ハニープロセス:収穫後、果実から生豆を取り、生豆に粘膜が付いたまま乾燥させる。
ウォッシュトプロセス:ハニープロセスと同じく果実から生豆を取った後、水に浸け、水中微生物のはたらきで生豆の周りに付いた粘膜を分解させた後、乾燥する。
アナエロビックプロセス:取り除いた赤い果実と生豆を同じタンクの中に入れ密閉し、嫌気性発酵をおこなう。

乾燥させる工程の違いで、コーヒー豆が持つ、フルーティーな香りやチョコのような甘い香り、コクや風味の違いを楽しむことができます。
また、味わいの違いは焙煎の方法や温度でもあらわれるのですが、焙煎の際に“煙”を逃がすだけでも変化が出るそうですよ。厚木珈琲の浅煎りは193℃~200℃、一番深煎りのものでは220℃で焙煎しています。精製方法や焙煎方法・温度による様々な味わいの違いを試して、自分好みのコーヒーを見つけるのも楽しそうですね。ご自身のお好みのコーヒーがどんなものかを酒井さんにお伝えすると、好みに合わせてテイスティングやプチコーヒーセミナーをその場で開いてくれますよ。

“ここにしかない珈琲”を目指して

厚木珈琲では、現在、グァテマラにある『GOOD COFFEE FARMS』というコーヒーの生産者団体と直接取引をしています。それは、“ここにしかない、ここでしか飲めないコーヒー”を目指しているから。実際に、酒井さんもグァテマラの農園に足を運び、収穫作業や乾燥工程、有機肥料作りといった農作業を現地の生産者と一緒に行ったそうです。グァテマラに厚木珈琲だけのコーヒーの樹を育て、そのコーヒー豆を取り扱うことを目標にしていましたが、その目標がついに実現!この豆こそ、酒井さんが目指した“ここでしか味わえない珈琲”です。

“厚木珈琲だけのコーヒーの樹”から収穫された豆「ATSUGI COFFEE FARM」
コーヒーの香りがどことなく優しく、フルーティーさも感じます。酸味は控えめで、飲みやすいのが特徴。ミルクとも相性がよさそうで、朝のコーヒーにもおすすめです。

厚木珈琲を代表する「厚木ブレンド」
浅煎りで普段使いにピッタリ。酸味も感じますが、あっさりとしていてとても飲みやすいブレンドです。ブラックでそのままの美味しさを味わうのはもちろん、最近は浅煎りでカフェラテを楽しむ方も多いそうですよ。

現在販売している中でも一番の深煎り「黎明ブレンド」
酸味が苦手な方やコクや苦みを楽しみたい方、ミルクと合わせて飲まれる方におすすめのブレンド。牛乳と合わせても、牛乳にも負けないしっかりとした深みのあるコーヒーの味わいを感じました。厚木ブレンドとのはっきりとした違いを楽しむのも、またいいかもしれません◎

厚木を流れる3つの川の合流をイメージ「相模川ブレンド」
ブレンドコーヒー豆を作る時は、それぞれの生豆を焙煎してから合わせるのが基本的な作り方ですが、厚木珈琲では生豆からブレンドし焙煎を行います。こちらのブレンドは、苦みが少なく爽やかな味わい。エスプレッソでは酸味が強く感じられ、ドリップでは酸味というよりもあっさりとした味わいになります。気分によって淹れ方を変えて楽しむのも良いですね。

店頭に並ぶとすぐに完売!?コーヒー牛乳好きにはたまらない「カフェラテベース」
以前取材した際に“開発中”とお伺いしていた商品にやっと出会うことができました。一度は飲んだことがある方も多い紙パックの某コーヒー牛乳に近く、甘めに作ってあるのが特徴です。通常は加糖12%くらいですが、こちらは20%!ふたを開けた瞬間、コーヒーの香りと甘さが伝わってきます。たっぷりの氷と牛乳でいただくと、コーヒーの味わいもしっかり感じつつ、飲みやすい甘さでした♪

お酒を飲まない方にも、雰囲気を楽しんでもらいたい!

お店に伺った時からとても気になっていた、「厚木クラフト」という瓶に入った商品。コーヒーとお酒のコラボ商品かな?と思っていましたが…違いました!栓を開ければすぐ飲める、新しいタイプのコーヒーです!

野外イベントやビンのお酒が出される会場などで、ソフトドリンクを飲むとどうしてもプラスチックのカップになりがち…。お酒が飲めない飲まない方も、雰囲気だけでもカッコよく、おしゃれに!という想いで生まれたコーヒー「厚木クラフト」。すっきりとした飲み口で、冷蔵庫でキンキンに冷やして飲むのがおすすめ。栓を開けた瞬間、コーヒーのいい香り♪ コーヒーを瓶で飲むのは初体験でしたが、口当たりがよく感じました。ストローやコップで飲むのとは一味違う体験ができるかもしれません。

進化を続ける『厚木珈琲』

今回伺った新店舗をオープンするにあたり、珈琲のラベルも一新。厚木市内の建築デザイン事務所『KDL』にデザインをしていただいたそうです。『厚木珈琲』の文字を活かしつつ、それぞれのコーヒー豆のストーリーに合わせたデザインになっています。例えば、「ATSUGI COFFEE FARM」のラベルは“樹”をイメージ。コーヒーの樹かな?と思いましたが、お話を伺うと違いました。
酒井さんがグァテマラの農園へ行った際、コーヒーの苗を植える作業の日に飲み物を忘れてしまいました。現地の水道水は飲めないないので、飲み水もなく暑い中で作業…。ふと、農園に1本のオレンジの樹を発見。ちょうどオレンジが実っており、その実を食べて水分補給をしたそうです。その時に植えた樹から収穫されたコーヒー豆が厚木へ到着した際、開封した瞬間に“どことなくオレンジの香りがする”と思いました。「ATSUGI COFFEE FARM」のラベルは、現地で助けられ、開封した瞬間に感じた香りの“オレンジの樹”がモチーフとなっています。
それぞれのラベルのストーリーも気になりますね。

厚木珈琲では、イートイン・テイクアウト、コーヒー豆やオリジナルグッズの販売を行っていますが、色々な味を試してお好みのコーヒーを見つけたい方は「ドリップパック」もおすすめ。店舗外になりますが、厚木市七沢にある『青空と大地 七沢温泉 食の市』のジェラートには、厚木珈琲のコーヒーを使用した「厚木珈琲ジェラート」もあるそうです…!美味しそう…食べてみたい。

“ここにしかない珈琲”を目指して、地域を大切にしながら進化を続ける厚木珈琲。取材時にも今後の予定を教えていただきましたが、まだまだ進化は終わらない!こだわりの味をぜひ体感してみてくださいね♪

〒243-0812
神奈川県厚木市東町3-7 Will 厚木 1F
小田急小田原線「本厚木駅」北口より徒歩約11分
080-6524-1114
10:00~18:00
火曜定休
なし(近隣のコインパーキングをご利用ください)
https://atsugicoffee.theshop.jp/
https://www.instagram.com/atsugicoffee/

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