JR平塚駅北口から10分ほど歩いたところにある『Boulangerie nico(ブーランジェリー ニコ)』。 大きな看板はなく、『nico』書かれたと表札のような看板が目印。
一瞬通り過ぎてしまいそうですが、ファンも多い人気のパン屋さんです。
正真正銘の“Boulangerie(ブーランジェリー)”
最近のパン屋さんによく見かける“Boulangerie(ブーランジェリー)”という言葉。フランス語で”パン屋さん”を指す言葉ですが、その意味は「職人自らが小麦を選び、店内で製造(生地をこね、発酵、成形、焼成)し、販売するお店」。本場フランスでは“Boulangerie(ブーランジェリー)”を名乗ることのできる条件が法律で定められているそうです。こちらの『nico』は、オーナーシェフのご夫婦がすべての工程を行っている正真正銘の“Boulangerie(ブーランジェリー)” 。定休日は月曜日と火曜日ですが、火曜日は仕込みの日に当てています。今回、ありがたいことにその仕込みの日にお話を伺わせていただきました。
きっかけはフランス人のお友達
オーナーの近藤さんは、フットワーク軽く行動力のある方。ワーキングホリデーで行ったオーストラリアで下宿先のフランス人留学生と仲良くなり、帰国後にそのお友達に会いにリュックを背負ってフランスへ。フランスの文化にも触れ、バゲットをバックの中に入れてヨーロッパを10か国くらい旅しました。元々、将来何かお店をやりたいという想いがあったので、パンを学び、7年ほど経験を積んで独立されたそうです。独立されて今年は10年目。お話を伺いながら、近藤さんの行動力に何度も感激するばかりでした。
発酵時間は約30時間!
通常、パン生地は30℃で発酵製造するものがほとんどです。nicoのパンは成形しながら冷蔵で発酵、4℃~5℃の低温で長時間発酵する製法のため、前日の朝6時頃から仕込みをします。生地への愛が深く、“パンも人間と同じ、疲れたら休まないとダメなんです”と教えていただきました。
近藤さんにとって、発酵とは休むこと。生地を仕込むと小麦が傷つくので一旦休む(=第一次発酵)。休ませた生地を分割して丸めると傷むので、少し休ませてから成形。成形したらまた傷むので休ませてあげる…休む時間は、生地が自ら修復し、旨味が増す大切な時間。時間をかけて発酵(=休むこと)を行うことで、小麦からおこした自家製酵母の乳酸菌が増え、生地自体の甘みや旨味につながります。じっくりと大切に、約30時間かけてパン生地を育てますが、1日に1000個くらい焼くそうです!焼き菓子を入れると約80種類、多い時には100種類にもなるそうですよ!それでも、土日になるとお昼過ぎに完売になってしまうことも。近藤さんがパン生地にかけた愛情が美味しさにつながり、多くの人を魅了しているのでしょうね。
どのパンが一番というのはなく、すべてオススメ
お話を伺ったのは仕込みを行う日(定休日)だったので、後日パンを購入するために改めて伺いました。
伺ったのは9時半頃でしたが、9時開店の店内には、バゲットをはじめとしたハード系のパン中心に様々なパンが並んでいます。朝早くから続々とお客様がご来店され、nicoの人気ぶりがうかがえます。
種類豊富なパンですが、人それぞれ好みも違うのでお店側が“これがオススメです!”というものはないそうです。“クロワッサンが一番売れているのかもしれないけれど、販売個数も異なるし、特にコレ!というのはお客様自身で決めてもらった方がいいですね”と近藤さん。 今回は、取材スタッフが気になったパンを少しご紹介します♪
ひとつひとつに美味しさとこだわりが詰まっています!
「バゲット」
オーナーの近藤さんがパン屋を始めるきっかけになったバゲット。シンプルなパンだからこそ、そのこだわりをしっかりと感じ取ることができる一品です。外側はパリパリ香ばしく、中はフワフワ。小麦の香りをしっかりと味わえます。様々な料理に合わせて食べるのもオススメです。
「クロワッサン」
薄皮の軽いサクサク感と中のしっとり感のバランスが良く、バター風味もやさしいクロワッサン。 一番売れているかも…というのも納得の美味しさです。
「バターチキンカレーパン」
今までに食べたことのないカレーパンでした!甘みのあるパン生地の中にたっぷりと入ったチキンカレーが、甘味の中に辛味もあり…なんといってもチキンが柔らかくてもはや溶けている…。コロンとした形もかわいい、ここでしか味わえないカレーパンです。
「タルティーヌ(マッシュポテト、かぼちゃ)」
横にカットされたバゲットに具材がのった、オープンサンドのよう。焦げ目がついたパン底が香ばしくてまた美味しい。
マッシュポテトのタルティーヌ(写真左)は、ミートソースにとてもクリーミーなマッシュポテト。ジャガイモの粒感が全くなく、クリームのように本当に滑らか。 フランス料理のマッシュポテトとひき肉のグラタンのようで、食べ応えも抜群です。
かぼちゃと舞茸のタルティーヌ(写真右)は、自家製のホワイトソースにかぼちゃ、舞茸、無添加ソーセージ、ししとうをトッピング。見た目も華やかですが、ホワイトソースが全体をやさしく包み込んでくれているので、不思議と一体感のある美味しさです。
「クランベリーとホワイトチョコのパン」
製造工程から見させていただいていたのですが、中にはクランベリーがぎっしり!どこを食べてもクランベリーたっぷりなのが嬉しい。練りこまれたホワイトチョコは溶けてパンに染み込み、程よい甘さで引き立てます。
様々なサンドイッチの中からバゲットを使用したこちらの2つをご紹介。パリパリ歯ごたえのバゲットは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
「高座豚ハムカマンベールサンドイッチ」
厚めにカットされた高座豚のハムは塩味と脂身の甘味が絶品。大きめのカマンベールチーズが3つも入った贅沢なサンドイッチです…!
「ハニーマスタードサンドイッチ」
アーリーレッドとマスタードのやさしい辛味とハチミツの甘みのバランスが絶妙。柔らかく蒸されたチキンとの相性がとてもいい◎
「カヌレ」
カヌレは小ぶりなスイーツで物足りないかな?と思っていましたが、一つで十分満足できるほど中が詰まっています。外はカリカリ、中はモッチリ、上品な甘さのスイーツでした。丁寧な仕事が伝わります。
パンを通じてニコニコと笑顔になってもらいたい
店名の『nico』の由来は、“パンを通じてニコニコと笑顔になってもらいたい”という想い。味も見た目も、込めた想いも、お客様が全てで笑顔になれるように、そしてその笑顔と”美味しかった”の一言で自分たちも笑顔になり、想いを込めて今日もパンを作る。笑顔でつながる、また行きたくなるパン屋さん『nico』。ぜひ一度、足を運んでみてくださいね。
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〒254-0036 神奈川県平塚市宮松町7-2 落合ビル1F |
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JR「平塚駅」北口より徒歩約10分 | |
0463-86-6900 | |
9:00~19:00(パンがなくなり次第終了) | |
月・火曜定休 | |
あり(店舗前に2台ほど) | |
https://www.instagram.com/boulangerie_nico0425/ |
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